CG技術のめまぐるしい進化とその功罪とは!?


現在では動画にCG処理を行う加工は当たり前に行われています。ですが、あまりこのCGに頼ってしまうとその部分だけが目立ってしまい、肝心の動画自体の内容が薄く感じられてしまうことや、反ってデキの悪い動画になってしまうことも少なくありません。

では、どのようなケースがそれに当てはまってしまうのか、また、CGはどのように使用するのが適正なのでしょうか。

 

CG技術の進化によるメリット

近年のCG技術の進化は目覚しいものがあります。一件して実写と区別が付かないほどのCGによる加工も当たり前になっており、映画「タイタニック」の中で船から見た海面や、出港時に手を振る人たち、沈没シーンで船から落ちていく人たちのほとんどがCGで描かれていると知った時には驚いたものです。

他にも映画やドラマでは火災や爆発シーンなど、実際にそれを行うのはその準備の手間や簡単には撮り直しができないという点、そして何より安全面から大変なことが多いですが、CGで後から加工をすれば簡単にそういったシーンを撮影することができるようになりました。

その昔は実際に火をつけたり爆発をさせていたことを考えると、CGによって安全にそのようなシーンが撮影できるようになったり、今までは技術的に撮影は難しかったシーンを作り出すことができるようになったことは、動画全般の制作に大きな影響を与えたと言っていいでしょう。

 

クオリティによるデメリット

ですがメリット面ばかりでもありません。撮影が難しいシーンはCGに頼ればいいという安易な考え方をしてしまった為に、チープな仕上がりになってしまうことも少なくありません。

CG加工はそのクオリティがとても重要です。もちろんクオリティが上がるほどその制作に掛かる予算も増えてしまいますが、予算が無いからと比較的安価で行えるCG加工をしてしまうと、いかにも安っぽいCGだと一目で分かってしまいます。

よくドラマで使われる火災のシーンはこのクオリティの違いがよく分かる場面の1つで、いくら話自体が面白くても肝心の火災シーンが一目でCGだと分かってしまうようなデキでは、それだけで興醒めしてしまいます。

現在では簡単にCGが使えるようになりましたが、クオリティを求めると、やはりそれなりの値段が掛かってしまいます。ですがそのような安っぽい下手なCG加工は作品自体を台無しにしてしまいます。CGを使うのであれば、それこそ「タイタニック」のように誰が見ても納得のいくクオリティで使って欲しいものです。

 

CGでは作れない迫力が実写にはある

漫画やアニメの実写作品を制作する際にはその内容からCGによる加工は欠かないと言えますが、いかにも無理に実写化したという作品も少なくありません。

そのような作品は、主人公が瞬時に違う形態に変身をするシーンがあったり、実際には存在しない生き物が登場するような場合に多く見られますが、そういうシーンは漫画やアニメの中だからいいのです。無理にそれを実写化する必要はありません。

できるだけオリジナルに近いものを作ろうと、CGだらけで何とか再現をしても、いい作品になるはずがありません。非現実的な表現の連続はいくらクオリティの高いCG加工で作ったとしても、CGとしての評価にしかなりません。

また、安易にCGで済ませてしまうことも多くなりました。昔からシリーズが続いている「仮面ライダー」や「戦隊モノ」の最近の作品でよく見られる、バイクや車がジャンプするようなシーンなどがいい例です。

昔はそのようなシーンはもちろん実写の撮影で行っていたので、見ていてとても迫力がありましたが、最近ではそのようなシーンはCG加工で作られていることが多く、例え見た目には派手になっていても、全然迫力を感じないのは私だけではないでしょう。

 

▽東映特撮オフィシャル動画 仮面ライダー 第1話

 

迫力のバイクで壁をブチ破るシーンから始まります。もちろんCGは使用していません。

このように充分に実写で撮れるシーンも、最近のシリーズではCGで描かれることが多くなっています。確かに見た目は良くなるかも知れませんが、それによって作品の内容自体が進化している訳ではありません。むしろ作品的には反って退化しているようにさえ感じてしまいます。クオリティさえ高ければいくら使ってもいいというものでもないのです。

 

使用するなら高いクオリティと適度な範囲で

CG技術の進化によって、それまでより短期間で安全に撮影を行えたり、実写化は不可能と思われていたようなシーンの再現も可能になりましたが、だからと言って、何でもCGに頼ってしまうのは大間違いです。

高いクオリティのCGを適度に使用した「タイタニック」がアカデミー賞で作品賞や監督賞を含む11冠を受賞したのに対し、最初からCGありきの「アバター」の方が興行収入では上でしたが、アカデミー賞では撮影賞、美術賞、視覚効果賞の3冠だけに留まったのは、そのCGのデキや内容うんぬんではなく、あまりにもCGに頼り過ぎたからではないでしょうか?

確かに最近の映画やドラマのような動画の制作にCGは欠かせなくなりましたが、それに頼り過ぎてしまっては、決していい作品は作れません。ここまで技術が進んだ現在だからこそ、CGはそれに頼る程度をよく考えて使用するべきだと言えるでしょう。

 

 


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